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ポン・ジュノ監督と名優ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年の第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』。, 2020年の第92回アカデミー賞では作品賞・監督賞を始め6部門にノミネートされました。, 韓国国内で観客動員数が1000万人を突破したのを始め、フランスやアメリカなど世界各国で外国映画の動員記録を塗り替えるほどのヒットを連発しています。, 何がそれほど人々を惹きつけるのか? 本稿では映画の構成や語りのキーワードを読み解くことでその魅力に迫ります。, (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED, 【キャスト】

『パラサイト』考察。映画の結末を【半地下の家族】の“臭い”と“計画”から読み解く|コリアンムービーおすすめ指南17. ソン・ガンホ、チャン・ヘジン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、イ・ジョンウン、チョン・ジソ、パク・ソジュン、パク・ミョンフン, 【作品概要】 物語の核となる格差 同様のテーマを扱っている『ジョーカー』と明らかに違う描き方とは .

戦って死ぬ1日を繰り返すタイムループ能力で未知の侵略生命体ギタイと戦う映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のあらすじと難解な用語解説、ネタバレありで劇中の謎考察をお届けする。, 【女性目線で解説!】映画『82年生まれ、キム・ジヨン』ネタバレあらすじ&出演女優・俳優を紹介, 韓国の大ベストセラー小説が原作の映画『82年生まれ、キム・ジヨン』。日本で2020年10月に公開された本作は、韓国・日本のみならず、アジア圏でも上映され大きな反響を呼んだ話題作です。「女性の生きづらさ」をリアルに描き、女性からの共感の声も多い本作を、今回は女性目線でネタバレあらすじから見どころまで徹底紹介!, 『週刊少年サンデー』で連載中の大ヒット漫画が原作の「名探偵コナン」シリーズに登場する”怪盗キッド”。ミステリアスなたたずまいと甘いマスクで、多く女性ファンを獲得してきました。映画にも多数出演し、準レギュラー的なポジションでもある怪盗キッド。今回は、怪盗キッドのプロフィールや初登場回、名言をまとめてみました!, 映画『パラサイト 半地下の家族』は伏線がすごいけど…ポン・ジュノ監督は「伏線」を否定?, https://pickup.cinemacafe.net/articles/2659. 韓国映画『パラサイト』ポン・ジュノ監督インタビュー【カンヌ2019年パルムドール... 『殺人の追憶』動画フル無料視聴!韓国映画監督ポン・ジュノが実際の事件を基に描... 映画『罪の声』ネタバレあらすじと感想レビュー。実在の未解決事件の真相を解き明かすミステリー!, 映画『ミッドサマー』あらすじネタバレと感想。「ヘレディタリー」を軽々と凌駕する狂気に満ちた夏祭り!, 『ミッドナイトスワン』小説と映画の結末の違いをネタバレ考察!ラストまで続く内田英治監督の細かい心理描写|映画という星空を知るひとよ30, 『罪の声』小説あらすじネタバレ。犯人9人は映画化キャストで誰になるのか⁈【予想解説】, 映画The Witch魔女|ネタバレ感想。ラスト結末までノワール・SFサイキック・バイオレンスが作り込まれた秀作, 映画『ばるぼら』あらすじと感想。二階堂ふみがヌードの濡れ場で稲垣吾郎を相手に手塚漫画に挑む|TIFF2019リポート23, 『来る』ネタバレ感想と考察。ホラー映画に登場したアレの正体を解説【オムライスのくにへいってみたいの意味も】, 『きみの瞳が問いかけている』ネタバレ感想とラスト考察。映画は横浜流星のキックボクシングに魅了される, 『さくら』小説ネタバレと結末までのあらすじ解説。西加奈子原作の一匹の老犬が見守る家族のヒストリー|永遠の未完成これ完成である16, 映画『ジョゼと虎と魚たち』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も【池脇千鶴の代表作】.

パラサイト(3)

映画(18), 2020年のアカデミー賞で最多賞を獲得した映画『パラサイト』の物語の魅力やネタバレあらすじ、出演キャストを徹底解説!今さら聞けない「石」「線」「時計回り」といった伏線15個もまとめて考察します。パラサイトをじっくり考察したい人は要チェックですよ!, 『パラサイト 半地下の家族』(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED, 日本で2019年1月に公開された韓国映画『パラサイト 半地下の家族』。『グエムル-漢江の怪物-』、『母なる証明』を手掛けた韓国を代表とする名監督、ポン・ジュノがメガホンをとった本作は、韓国で社会問題化している「格差社会」というテーマ描きつつ、サスペンス、ブラックコメディ、ヒューマンドラマなどの「ジャンルを超えた傑作」として世界各国で称賛の嵐を巻き起こしています。第72回カンヌ国際映画祭では、最高賞の「パルムドール賞」、そして第92回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門で受賞を果たしました。, 有力候補だった『ジョーカー』、『1917 命をかけた伝令』を追い抜き、見事に作品賞を受賞した本作は、アジア映画において初めてアカデミー賞の作品賞を受賞した革命的な映画。本編の所々に散りばめられた緻密な「伏線」や「テーマ性」が話題を呼び、日本でも映画ファンによる考察が白熱しています。また、本作はポン・ジュノ監督自らより観客へ「(これから見る人のために)ネタバレはしないでください」という「お願い」がされるほど、衝撃的な結末となっています。, 「バットマン」シリーズの宿敵・ジョーカーが誕生するまでの過程を描いた映画『ジョーカー』。本作はホアキン・フェニックスによる名演技だけでなく、作中にちりばめられた「謎」に注目が集まっています。今回は『ジョーカー』のネタバレあらすじと、ラストシーンの意味を考察して解説します。, アジア映画界において新たな伝説を築いた映画『パラサイト 半地下の家族』。アメリカでドラマ化も決定しているほど、世界各国から注目を浴びている本作の大きな魅力は、「予想不可能なストーリー」です。今回は、すでに本作を見た人の「復習」として、ネタバレあらすじを解説します。まだ映画を見ていない人は要注意ですよ!, 舞台は韓国のとある貧困地域。事業に失敗した父親キム・ギテク、元ハンマー投げ選手の口うるさい母親チュンスク、頭はよいものの大学受験に落ち続けている息子ギウ、そして美術センスがありながらもお金がなく美術大学に通えない娘ギジョンの「キム家」は、薄暗い半地下のマンションの一室で細々と生活していました。家族全員が失業中で、何とか内職で小銭を稼ぎますが、家族4人が生きていくにはお金が足りません。通行人から家の外で用を足され、お金がないためWi-Fiにパスワードを設定していない店から隠れてWi-Fiを使う貧しく不便な日々。ある日、名門大学に通うギウの友人ミニョクが一家を訪れ、金運アップの効果があるといわれる岩「山水景石」を差し入れます。, それだけでなく、ミニョクはギウに「自分が海外留学している間、IT企業の社長令嬢の女子高生ダヘの家庭教師をやってくれないか」という高給与のバイトを紹介してくれました。ミニョクはダヘに好意を抱いており、彼女が大学へ進学したら交際する予定であること、そしてギウを信頼していることを打ち明けます。大学受験に失敗し続けている手前、断ろうか迷ったギウでしたが、貧困に苦しんでいる彼は最終的に家庭教師のバイトを引き受けました。, その後、美術大学志望の妹ギジョンに名門大学の在籍証明書をパソコンで偽装してもらったギウは、高級住宅区域の高台にあるパク家を訪れます。パク家は、IT企業の社長である父親ドンイクと、家事が一切できないアメリカかぶれの美人な母親ヨンギョ、大学受験を控えた女子高生のダヘ、そしてインディアンにハマっている小学生の息子ダソンの4人家族。ギウは、家政婦のムングァンに家の中へと案内されたのち、ヨンギョに見守られながらダヘに勉強を教えることに。まるで本物のエリート学生のように堂々たる態度で授業を終えたギウは、ヨンギョに気に入られ、見事正式な家庭教師として採用されました。, パク家の壁に飾られていることに気付いたギウ。ヨンギョは、絵を描いたのは小学生の息子ダソンで、今彼の美術家庭教師を探していることをギウに伝えます。その後ギウは、妹のギジョンを「アメリカで美術を学んだ芸術療法士」としてパク家に連れてきます。アメリカかぶれのヨンギョはギジョンに好印象を抱きます。ギジョンはダソンの絵を称賛し、さらにインターネットで調べた専門用語をまくしたてヨンギョの信頼を勝ち取り、正式な家庭教師として採用されました。順調に事が進む中、ある日パク家の主人であるドンイクが家に帰宅し、家庭教師の仕事を終えたギジョンを家まで送るよう、専属の運転手に命じます。車に乗ったギジョンですが、身元がバレてしまうのを恐れ、家に着く前に車を降りました。その際、自分の下着をこっそり助手席のシートに入れます。, 後日ドンイクは車で下着を見つけると、運転手が車内で性行為をしたと推測し、彼を解雇します。新しい運転手を探すドンイクたちに、ギジョンは自分の父ギテクを「親戚の凄腕運転手」として紹介。もともとタクシー運転手の経験があるギテクは上手く取り繕い、パク家から正式に採用されます。こうしてギテク、ギウ、ギジョンの3人がパク家に「パラサイト」することに成功し、残すは母親のチュンスクだけとなりました。ギテクたちは協力して、桃アレルギーの家政婦のムングァンに桃の皮の産毛を浴びせて咳き込ませ、さらに偽物の血が付いたティッシュをヨンギョに見せ、ムングァンが結核であると信じ込ませます。キム一家の思惑通り、ムングァンは解雇され、チュンスクを新しい家政婦として紹介しました。, こうしてキム家の4人全員がパク家に「パラサイト」することに成功。ドンイクもヨンギョもダヘも4人が家族であることや、身分を隠していることに気付きません。しかし、小学生のダソンだけは、4人が同じ「におい」であることを不思議に思うのでした。, ダソンの誕生日、パク家は家事をチュンスクに頼み、キャンプ旅行へと出かけていきます。その間、キム家の4人は豪邸内での生活を満喫します。家の中にあった高級な酒を飲み、楽しいひと時を過ごすキム家。ギウは、ダヘと恋愛関係にあること、そしていつか結婚するという願望を語ります。そんな中、突然家のインターホンが鳴りました。チュンスク以外の3人は慌てて身を隠し、チュンスクだけが出ます。そこには、解雇された家政婦のムングァンがいました。, ムングァンは大雨でずぶ濡れになりながら「忘れ物を取りに来た。家に入れてほしい」と懇願します。チュンスンは仕方なくムングァンを家に入れたところ、ムングァンは地下への隠し扉を開き、地下へと進んでいきます。何と地下には、ムングァンの夫であるグンセが住んでいたのです。実は、この豪邸は前の持ち主だった有名建築家が作った家で、北朝鮮からの爆撃対策として地下にシェルターがあったのです。後に家の持ち主となったパク家が地下室の存在を知らないことをいいことに、ムングァンは一家に隠れて借金取りに追われている夫のグンセを隠して住まわせていたのでした。, 韓国ドラマ「青春の記録」ネタバレ見どころ・キャスト・あらすじ!「梨泰院クラス」が好きなら要チェック!, 韓国ドラマ「青春の記録」はもう観ましたか?STUDIO DRAGON(スタジオドラゴン)が放つ、ほろ苦くも温かい青春サクセスストーリー。旬なキャスティングとサプライズな特別ゲストも話題の人気ドラマです。ここでは「青春の記録」のネタバレ見どころ・キャスト・あらすじを紹介していきますので、是非ご覧下さいね。, 観たい映画を探す時、意外と "ジャンル検索" に戸惑う事ってありませんか?そんな時、どんなジャンルがあるのか知ってるだけでも便利かもしれません。ここでは洋画を中心に、映画ジャンル32種類とそれぞれの特徴・代表作をいくつか紹介していきたいと思います。豆知識程度に、気軽にチェックしてみてくださいね!, 映画『アス』(us)ネタバレあらすじ&考察を解説!ラストシーンの意味と怖い伏線10選, 自分とそっくりのドッペルゲンガーが襲ってくるという斬新なストーリーと、緻密な伏線で大反響を獲得した映画『アス』(us)。今回は、本作のネタバレあらすじとともに、伏線やテーマなどを考察します。「エレミヤ書11章11節」「ジェイソンクローン説」「ハサミ」「赤いつなぎ」などの謎も解明!, 『シャッターアイランド』ネタバレあらすじ&伏線を考察!ラストシーンのセリフの謎を解明, どんでん返しのラストで大きな話題を呼んだサスペンス・ミステリー映画の名作『シャッターアイランド』。今回は、ネタバレあらすじとともに、本作にちりばめられた伏線(ジョージ・ノイスやレイチェルの正体)、そしてラストシーンの考察を分かりやすくまとめてみました!, 菅田将暉&小松菜奈W主演映画『糸』あらすじと見どころを紹介!中島みゆきの歌詞との関連性は?, 菅田将暉と小松菜奈がW主演を務める映画『糸』。中島みゆきの名曲「糸」が原案となる本作は、2人の男女の出会いと別れを描いた感動の話題作です。今回は本作のあらすじや見どころ、キャストや主題歌をご紹介します!名曲「糸」との関連性や公開日も一緒にチェックしましょう。, 『ルパン三世 THE FIRST』は、どんな映画なのでしょうか?この記事では『ルパン三世 THE FIRST』のみどころ、あらすじネタバレ、どんな評価なのかを紹介しています。この記事を読めば『ルパン三世 THE FIRST』をもっと楽しめますよ!, 生と死がループするバトルSF『オール・ユー・ニード・イズ・キル』あらすじとネタバレありの世界観考察, 隕石と共に飛来した侵略生命体ギタイからの攻撃を受け滅亡寸前に追い込まれた人類。戦闘経験のないケイジ少佐は最前線に送り込まれるが数分であっけなく命を落としてしまうが次の瞬間には出撃前日に戻る日々を繰り返すのだった。 『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『スノーピアサー』などで知られる韓国の名匠ポン・ジュノ監督と名優ソン・ガンホが4度目のタッグを組んだ作品。, 裕福な家庭に貧しい家族が仕事人として入り込んだことで思わぬ悲喜劇が起こる様を、コメディ・ホラー・社会派とジャンルを横断して描く。, 2019年には第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞し、2020年の第92回アカデミー賞では作品賞・監督賞を始め6部門にノミネートされた。, 過去に度々事業に失敗し、今は無職の父キム・ギテク。若い頃は砲丸投げの選手だったが、実生活にはなんの役にも立たないことを痛感している母チュンスク。兵役の前後に4回も大学受験に失敗し、職にもつけない息子ギウ。美術の才能があるにもかかわらず美大に進学できず、予備校に通うお金もない娘ギジョンのキム一家は、貧困層の多い区域の“半地下住宅”で暮らしています。, 上の階の住人が新しいパスワードを設定したために、Wi‐Fiが使えなくなったと文句を言うギウ。, 父に言われてスマホをかざしながら電波を探していると、やっとトイレ付近で電波をキャッチすることができました。水圧が低いのでトイレが家の一番高い位置に鎮座しているのです。ギウが窓から外を眺めていると、家の壁に通行人が立ち小便を始めました。, ピザ屋の箱を組み立てるアルバイトを家族全員で行っていると、道路に消毒剤が散布されているのが見えました。消毒剤は開けっ放しの窓から家の中に入ってきて、部屋の中は真っ白。家族は咳き込みます。そんな中でも父は淡々と箱を組み立て続けます。, ピザ屋には手抜きだと叱られ取り分を減らされますが、ようやく食事にありつけた一家のもとに、ギウの友人のエリート大学生が訪ねてきました。, コンビニの脇でギウと友人は酒を酌み交わしました。友人はギウに頼みがあると切り出しました。留学することになったので、今教えている高校2年生の女子生徒の家庭教師を代わりにやってほしいと言うのです。, 彼はその女子生徒に惚れていて、彼女が大学生になったら正式に付き合うつもりなのだそうです。「なぜ他の大学生に頼まず無職の俺に頼むのか」とギウが尋ねると、「お前なら信用できるからだ」と彼は言うのです。, 「それに、お前は四回も受験しているんだからそこいらの遊び呆けている大学生より教えられるだろう」「俺が推薦するから大丈夫だ」と言われたギウはその気になります。, ギウは技術のあるギジョンに書類を捏造させ、家庭教師先へ面接に向かいました。教えられた住所に到着すると、そこはIT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸でした。, パク一家の心を掴んだギウは、妹のギジョンを「イリノイ大学に留学経験のある美術教師のジェシカ先生だ」と紹介。ギジョンはまんまと一家の幼い長男の家庭教師におさまります。更に、ギジョンはパク社長のお抱え運転手に駅まで送ってもらう際、あることを思いつき実行します。, 本来なら出会うはずのなかった“半地下住宅”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家。2つの家族の間で何かが起ころうとしていました……。, 家族全員が職業につきたくてもつけず半地下で貧しい暮らしをしているキム一家は、あるきっかけで、ひとり、またひとりと互いに他人のふりをして高台の豪邸で暮らす裕福なパク家に侵入することに成功します。, こうした展開は深田晃司監督の『歓待』(2010)や『淵に立つ』(2016)といった作品を想起させます。『歓待』ではひとりの“侵入者”が次々と部外者を家に引き込みますし、『淵に立つ』では“侵入者“である男が起こした突発的な暴力が、家族の人生を一変させてしまいます。, 『パラサイト 半地下の家族』もまた、そういう危うさを予感させ、観るものに緊張感を強いますが、このキム一家はいたってのんびりしていて、お得な仕事にありつけたことに単純に喜んでいます。パク一家がキャンプで家を空けた際、家族で豪邸に集まり酒を飲んで羽目をはずすというささやかな事柄で満足している気のいい人たちなのです。, 金持ちに取って代わろうとか、金持ちの人間をものにしてやろうなどという狡猾な野心など微塵もありません。チェ・ウシク扮する息子がパク家の長女に恋をするのは初恋にも似た甘酸っぱいものにすぎません。, このように映画の前半は、「それぞれ個性が強く時には激しく反発し合うが根っこでは固く厚い愛情で結ばれてる」という韓国映画では馴染みの”家族の絆“を踏襲したシチュエーション・コメディとして進行します。, ところが誰もが想像だにしていなかった展開により、彼らのお楽しみは台無しになり、それどころが絶対絶命の危機に陥りさえします。彼らの立場は二転三転します。, ですが、映画における本当の転換地点はもう少しあとになります。地下の階段を上がってきた女性をチャン・ヘジン扮するキム一家の母親が蹴り飛ばすシーンまで待たなくてはなりません。このシーンで映画館は毎回爆笑に包まれるのですが、次の瞬間誰もが凍りつくことになるのです。, このわずか数秒が映画の佇まいを一変させます。もはやシチュエーション・コメディではなく、バイオレンスの匂いが漂い始めます。一瞬で映画の姿を変えてしまうワンショットの鮮やかさに唸らずにはいられません。, 『パラサイト 半地下の家族』を分析するのに重要なキーワードが2つあります。ひとつは「臭い」。もう一つは「計画」です。, 貧困や格差を描くのに「臭い」を取り上げた映画はこれまでもありました。例えば是枝裕和監督の『誰も知らない』(2004)は、家に来なくなった友だちを誘うために柳楽優弥扮する少年が学校の正門で待っているシーンがあります。誘われた少年たちは理由をつけて断ったあとに「あいつの家、臭いんだよ」「生ゴミの臭い」とささやいています。, 『パラサイト 半地下の家族』の臭いはさらに深刻です。それはもはや洗って落とせるものではないのです。, いくら外見を整え、上品な所作を真似してみせたとしても、長年、半地下で暮らしてきた臭い(“煮洗いした布巾のような臭い”、“地下鉄の臭い”とパク家の父親は表現します)は体にしみついていてそれが決定的にキム家とパク家を断絶しているという事実は衝撃的です。, さらに“半地下”ではなく、“地下”に長年暮らしていたらどうでしょう? その臭いが終盤の衝撃的なシーンに直結しますが、それまでの臭いに関するエピソードの積み重ねがあったからこそ、それは起こったのです。, また「計画」に関しては、キム一家はたびたびその言葉を口にしています。「計画はあるのか」がソン・ガンホ扮する父の口癖で、息子はそれに呼応するように「計画を立てる」としばしば口にしています。彼らにとって「計画を立てる」ということは必然のことでした。, しかし、父は、物語の中盤に変化を見せます。「計画がある」と語ることで子どもたちをいったん納得させますが、しばらくして「どんな計画なのか」と息子に問われた際、彼は「無計画なほうがいい。計画を立てても人生そうはいかない。最初から計画がなければ関係ない」と呟きます。, 絶望というよりは、むしろ思考停止といったほうがよいかもしれません。辛い思いをした人ほど考えることをやめてしまいがちであり、とりわけ「修復不可能な事態」に陥ってしまえばなおさらなのでしょう。, そうした父親の心理がこの2つのキーワードに敏感に反応し、静かなさざなみとなって終盤へとつながっていく描写は圧巻です。, 一方、パク一家はというと、雨で恒例のキャンプがダメになると、思いつきで誕生パーティーを急遽催すことにします。「計画」という言葉とはまったく無縁であり、不意の連絡を受けた人々は、おそらく立てていたであろう「計画」を反故して、パーティーに駆けつけるのです。, 彼らの本音を聞けば、裕福な友人同士のホームパーティーを題材にした『完璧な他人』(2018/イ・ジェギュ監督)のような修羅場が展開するのではと想像されますが、この世界の付き合いもなかなか大変なものがあります。, 「計画」よりも「臨機応変」であることが彼らの世界では求められるのでしょう。キム家の息子がその光景に見入られたように佇むシーンは実に示唆的です。, パク一家は、鼻持ちならない金持ちとして描かれるのではなく、金銭に余裕があるからこそ、誰にでもおおらかに優しく振る舞える感じのいい人たちとして登場します。, とりわけチョ・ヨジョン扮する妻のヨンギュは、人を疑うことを知らない純粋さを持ち、茶目っ気もある人当たりの良い善人として描かれています。, 夫のドンイクに扮するのは、ホン・サンス映画の出演が多いイ・ソンギュンで、彼の素敵な声の響きもあいまって、まさに2人は理想のカップルで、理想の家族を構成しています。映画を観ていて、彼らに心惹かれる人も少なくないでしょう。, ところが、ひとたび、自身のふところに誰かが身分をわきまえず入り込もうとすれば、この夫は、態度を豹変させます。, 彼らにとって大切なのは自分と自分の立場だけ。他人のことはどうでもよく、損得抜きの奉仕の精神など一切持ち合わせていないのです。現代の富裕層たるものの実態を実によく観察しているといえるでしょう。, さて、一方のキム一家は、固い家族の絆で結ばれているように見えます。それゆえにラストに息子が立てる計画に、格差社会の現実を思い、得も言われぬ悲哀を感じさせられるわけですが、果たしてあのラストはその解釈で正しいのでしょうか?, 今の時代、その「計画」が「実現不可能で無謀なもの」であることを知らぬほど息子は無知ではないはず。つまり家族愛とは真逆に、父を助ける気も、再び会う気もないという決別の現れだったのではないか!?, 家族を守らず手も貸さず、罪だけを犯した父を彼は許せなかったのか、あるいは、そのままにしておくほうが幸せだろうと感じたのか、それとも自分自身に激しい怒りを感じていたのか、いずれにしてももう二度と会うことはないという決意表明が見てとれないでしょうか?, 悲しみや怒りの中にあっても笑っている息子の表情からは何も読み取ることはできません。ですが、本作は、ひとつの家族の絆の崩壊を描いているのです。韓国映画が背負い、韓国社会で深く浸透し拠り所となっていた「それぞれ個性が強く時には激しく反発し合うが根っこでは固く厚い愛情で結ばれてる」“家族”というものが、もはや神話に過ぎないというかのように。, 『パラサイト 半地下の人々』を、“格差社会”や“現代を移す鏡”といった社会派的な側面ばかりで観ていると、本当の面白さに気づけないという気がいたします。, 観れば観るほど、その重層な作りに感嘆させられる作品なのです。セットであることが発表された高台の豪邸の空間の面白さなど、まだまだ語るべきことがたっぷり残されています。, 絶好調の韓国映画。2020年度も続々と話題作の公開が予定されています。次回もお楽しみに。, Tags : 韓国映画 / ビターズ・エンド / ポン・ジュノ / コリアンムービーおすすめ指南 / 西川ちょり / 2020年公開 / パラサイト 半地下の家族, ドラマ『ブラックミラー シーズン2 ずっと側にいて』考察とネタバレ感想ラスト結末も。実在サービスの基となったチャットボットの光と闇|SF恐怖映画という名の観覧車110, 連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile110 舞台も時代も、存在する技術も毎回異なる設定で紡がれるSFオムニバスドラマ「ブラックミラー」シリーズ。 本シリーズでは進んだ科学技術の使い …, 映画『アサンディミッタ』あらすじと感想レビュー。スリランカの鬼才監督アソカ・ハンダガマとは|OAFF大阪アジアン映画祭2019見聞録9, 連載コラム『大阪アジアン映画祭2019見聞録』第9回 今年で14回目の開催となる大阪アジアン映画祭。2019年3月08日(金)から3月17日(日)までの10日間、アジア圏から集まった全51作品が上映さ …, 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